高岩山~大塚山

たかいわやま(920m)~おおつかやま(920m)


イワウチワが咲く頃になったので、サルギ尾根を登って高岩山へ行きました。
帰りは大塚山から越沢沿いに延びる鉄五郎新道と呼ばれる尾根を下ります。


2006.4.15(土) 養沢神社_岩稜_高岩山_上高岩山_鍋割山_御岳神社_大塚山_金毘羅
神社
_鳩ノ巣駅
うす晴れ 08:4509:50
10:10
10:30
10:35
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14:00
14:20
15:20
15:40
16:20着
16:38発



昨夜の予報では厚い雲に覆われ、風も冷たいと言っていましたが、朝起きるとうっすら青空。急いで支度をして出発しました。ダイヤ改正で、武蔵五日市駅 上養沢行きには土日8:20発というのが増えていたので、今回はこの便を利用しようと五日市駅を出るとバス乗り場には長い列が出来ていました。一瞬この人達みんなサルギ尾根に行くの?とびっくりしましたが、そうではなく8:18発の急行バスで都民の森へ行く人達でした。

都民の森行き2台で出発した後、同じ乗り場に残ったのは数人で、すぐ上養沢行バスが来ました。沿道は桜やミツバツツジが一斉に咲き揃い下には菜の花、薄紫のハナダイコン、白ブルーのハナニラがいっぱい。家々の庭先にはチューリップや水仙、パンジーなど咲いています。空は水色、周りの山肌もいたるところに桜色もあり、まさに春爛漫。バスの最前席は特等席でした。


養沢神社
【養沢神社】

終点の一つ手前、「大岳鍾乳洞入口」で下車。サルギ尾根へ向かう人は私一人のようで、すぐ目の前の養沢神社へお参りし、社殿を右側に回り込むと上へ細い道がついていました。

個人の小さな墓地の横から登り始めるのですが、これが笑ってしまう程の急登。青竹につかまりながら登り、1,2分すると今度はかなりの急登。ここも1,2分で、ようやく普通の急登になりました。

道ははっきりしていて、植林を抜けると片側雑木になり、やがて明るい雑木林になりました。朝ほど天気は良くなくて薄雲が広がっていますが、小鳥のさえずりが可愛い。

落ち葉がいっぱいの道を行くと、だんだん岩が目立つ急坂になってきました。

サルギ尾根
【サルギ尾根】

やがて岩混じりの小さなピークに着きました。ふと見ると、足元に白い花! イワウチワが咲いています。 見れば下の斜面に点々と白花が広がっていました。細い踏み跡があるので、そっと下りてみると・・・


サルギ尾根・イワウチワ
【イワウチワ】


上にも下にもいっぱい。みんな一斉に顔を谷へ向けて咲いています。

嬉しくなってカメラを向けますが、足元が不安定。花を踏まないように気を遣いながらの撮影は大変です。時にはカメラを顔から離し、地面近くで花の方へレンズを向け、何枚か微妙に方向を変えてシャッターを押して撮りました。これが意外と自分で覗いて撮るよりきれいだったりします。

フリルのようなひらひらの花びらが何とも愛らしい。


誰も通らない岩場なので、ゆっくり花を楽しむ事が出来ました。その先は一旦緩やかになり、細めの岩尾根を行くとやがて木立に囲まれた小広いピークに着きました。ここが高岩山かと思いましたが、高岩山はもうひとつ先でした。

木に囲まれた小ピークの高岩山に着きました。
奥多摩の山らしい、あの木彫り山名板が掛けられています。


高岩山
【高岩山】
サルギ尾根を上高岩山へ
【サルギ尾根を上高岩山へ】

次の上高岩山へは一旦下りますが、この斜面にもイワウチワが咲いていました。ここは蕾もあったので、まだ少しは楽しめそうです。正面には上高岩山が見えテッペンの展望台がせり出すように見えています。

気持ちのいい雑木道を行くと、だんだん上高岩山が近づいて来ました。直下は急登のようです。足元にポツポツとスミレを見かけるようになりました。


ジグザグと直登で急坂を登りきると、すぐ横に鉄骨製の展望台がありました。屋根つきで広く、ピークの上に張り出したように造られているので見晴らしはいい。が、残念ながら今はもう薄晴曇りで霞んでいます。左に奥ノ院~御岳山~日ノ出山~金毘羅尾根、右に馬頭刈尾根~大岳山が見えていますが、全体にぼんやりした感じです。空気は冷たいけど、薄日が差して寒くはないのでここでお昼にしました。

この後は鍋割山へ向かいます。すぐ先で御岳岩石園への道を右に見送り、左へ行くと何やら立派な苔むした石段になりました。緩やかな広い段々を行くと、まもなく芥場峠。ここからは大岳山のメイン通りですが、中途半端な時間なので行き交う人もまばらです。大岳山方面へ少し進んだ所に鍋割山への分岐があり、右へ登って行くと足元にはカタクリが目立ってきました。でも、葉はたくさんあるのに花は少なく、まだ閉じているものばかりです。

鍋割山の山頂に着きました。
東側が植林、西側が雑木林なので午後は明るく感じますが、あまり山頂っぽくない所です。


鍋割山
【鍋割山】

ここからは植林の中を一旦下って、カラマツ林の向こうに見える奥ノ院へ向かいます。登り返しになると岩場になり、この辺にもイワウチワが咲いていそうですが見当たりませんでした。


奥ノ院
【奥ノ院】

奥ノ院山頂(?)に着きました。祠の向こうに大岳山が見えていて、反対側は伐採されて日ノ出山が正面に見えています。


奥ノ院から道標に従って急坂を下って行くと、長尾平~芥場峠の幅広道に出ました。予想していた所と違いましたが、左へしばらく行くと天狗の腰掛杉がある本来の奥ノ院登り口に出ました。何やら工事中のようでしたが、今は通行できないのでしょうか。

この先、長尾平への道はスミレが多く、エイザンスミレやマルバスミレ、タチツボスミレがいっぱい咲いていました。


長尾平へ
【長尾平への道】
カタクリ
【カタクリ】

御岳神社の先をずっと進み、ケーブル乗り場への道を見送って左へ上がって行くと富士峰の斜面で、ここにはカタクリがいっぱい咲いていました。

弱い日差しに、みんな咲こうかどうしようか迷っているようすで、中にはまだ眠ったままのように閉じている花(蕾?)もいます。イナバウアーのようにエレガントに反り返るには、もう少し光が足りないようです。


少し先へ行くと日当たりも良くなって、こちらのカタクリは少ないながらもきれいに咲いていました。次のなんとか山園地を巻くように左へ進むとミツバツツジが多くなり、ちらほら咲いている木もあります。


気持ちのいい明るい雑木林を行き、やがて大塚山園地に着きました。ベンチがいくつかあり、休憩にいい所です。

ここから古里駅へ向かう尾根道を鉄五郎新道と呼ぶそうですが、下り口が分かりません。左のベンチあたりから偵察しようと行ってみると、すぐに細い小道が延びていました。「あっ! ここかな」とその道を目で追うと、なんと下の方から団体さんが登って来るのが見え、びっくり。地図には破線もない道ですが、結構歩かれているのでしょうか。


大塚山
【大塚山園地から鉄五郎新道へ】

ベンチに戻って休憩タイム。コーヒーを飲み始めると15,6人の女性グループが到着しました。聞けばやはり古里駅から鉄五郎新道を登って来たとのこと。「イワウチワもミツバツツジもきれいでしたよ~」とのお話に嬉しくなり、下山開始。


広沢山
【広沢山】

アンテナ塔の左側を下り、しばらくは植林ですがやがて西側が雑木になりました。緩やかな道を行くと「広沢山」と札の掛かった所に出ましたが、表示がなければただの通過点のような所です。

ここからは急なジグザグ下り。下草が薮っぽく夏以降はあまり歩きたくないような道です。


その先も相変わらず急ですが、ややヤセ尾根の楽しい道になりました。やがて足元にポツポツとイワウチワが現れました。ちょっと危なげな斜面ですが西日が当たってきれいで、ここで撮った写真が一番きれいに撮れました。

やはり日差しがあると花が生き生きして透けたようにきれいです。白い花はどれも難しく冴えない写真ばかりでしたが、これはやや淡いピンクがかって弱い光も当たっているため、私にしてはきれいに撮れたほうで、とても嬉しい。

鉄五郎新道のイワウチワ
【イワウチワ】

鉄五郎新道のミツバツツジ
【ミツバツツジ】

大きな岩が目立ち始めるとミツバツツジが多くなってきました。特にこの岩の周辺は前後左右ミツバツツジが満開で、フワーっと明るい雰囲気です。日差しがもう少しはっきりしていればもっと華やいで、岩の上でゆっくりしたいところでした。

更に下るとイワウチワの葉が密生している箇所に出ました。もう花は終っていましたが、花期は素晴らしい群生が見れそうです。


まもなく左手に越沢(こいざわ)キャンプ場からの道が上がってきました。以前、越沢バットレスの下でクライミングの人たちを眺めてから沢沿いの小道を下った事があります。短いけれど、ちょっとした峡谷ふうで楽しく雰囲気のいい道でした。バットレスを見上げていた時、右横に金毘羅神社への登り道があったので、今回はその道を下りて、またあの越沢沿いの小道を下りたいと思っていました。しかし、この下りには「一方通行出口 進入禁止」と書かれています。


仕方なく通り過ぎるとバットレスの上に出ました。恐る恐る、そーっと覗いてみると練習中の人がいて、真下には、あの時休んだあずま屋が見えています。こうして覗くと引き込まれそうで、ちょっと怖い。

そばの道標には右は「けもの道」、真っ直ぐは「金毘羅神社、滝見台」となっていますが、別の標識には「滝見台、下におりることが出来ます」と書いてあるので金毘羅神社から下りてみようと思いました。


越沢バットレス
【越沢バットレス】

金毘羅神社
【金毘羅神社】

まっすぐ行くと、すぐ金毘羅神社で狭い岩のテッペンに小さな社がありました。

この先はかなりの急坂で木につかまりながら下りて行くとヒカゲツツジが咲いていました。ほんのり淡いクリーム色で、ひっそりと控えめに咲いています。

ヒカゲツツジ
【ヒカゲツツジ】

だんだん足場が危うくなり、慎重に下って行くと鎖場です。短いのですぐでしたが、その次の鎖場は大変。高さは3,4mくらいですが、垂直な一枚岩の感じで足場があるようには思えません。これは擦り降りる事は出来ても、万一それより下に進めなくなった場合、登り返すのは難しそう。止めた方がいいと、引き返すことにしました。

道標の所に戻り、もう一度確かめれば「けもの道」には下山道とペン書きされていたので、横の鳥居をくぐってその道を下りました。植林の山腹を下って行くと、「越沢キャンプ場」への道標があります。


越沢
【越沢】

ここから下りてみようと、左へ下りましたがヤブっぽいジグザグ道で、降り立った所は歩きたかった沢の終点でした。雰囲気のいい沢なので、少しだけ遡って戻りました。残念だけど、ここはまた来よう。

いくつかある作業小屋(?)を右に見て、斜めに登って行くと鳩ノ巣駅への一般道に合流します。あとは道なりに駅へ向かうだけです。

越沢より
【越沢より上がって合流点を振り返る】

サルギ尾根は緩急交互で人影もなく自然林の多い道でした。鉄五郎新道も急坂でしたが静かないい道で、どちらもイワウチワをゆっくり見る事が出来ました。晴れていればもっときれいだったと思いますが、カタクリも満開のミツバツツジも見る事が出来たので楽しい感謝の一日でした。


 高岩山・大塚山の花々



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