畦ヶ丸

あぜがまる(1292m)


西丹沢の中でも畦ヶ丸は標高も低めなので、シロヤシオの花期も早いようです。
そろそろ咲く頃ではないかと、久し振りの丹沢へ行くことにしました。


2008.5.17
(土)
 西丹沢下棚ノ滝
本棚ノ滝
ベンチ善六ノタワ畦ヶ丸モロクボ
沢ノ頭
バン木ノ頭白石峠林道終点西丹沢
晴のち曇り
一時小雨
 08:35着
 08:40発
09:30
09:55
10:20
10:25
10:5512:05
12:40
13:0513:30
13:35
14:3515:55
16:05
16:45着
17:02発



シロヤシオの頃の畦ヶ丸には2002年に行ったことがありますが、その年の花は寂しいものでした。今年のシロヤシオはよさそうなので行ってみることにします。今日の予報は『昼頃には晴れ間もあるでしょう』ということでしたが、松田駅は朝から青空。御殿場線のホームからは、かなり霞んでいたけれど富士山も見えていました。

谷峨駅7:46発のバスは意外と空いていて、棚沢キャンプ場前ではグループが降りたので座れてラッキーでした。しかし西丹沢の駐車場は既にいっぱい。やはり檜洞丸方面へ行く人が多く、吊り橋を渡って畦ヶ丸方面へ行く人は少なく前後に人はいません。


西沢の河原
【西沢の河原】

白い河原と青い空。予想外の晴天が嬉しくて、本当に感謝。この時はこの青空が昼頃まで続くと思っていました。

今は新緑真っ盛り。朝日が差し込む木立の中、沢音を聞き、輝く緑の木漏れ日を浴びながら歩くのはなんて気持ちいいんでしょう。足元にはツルシロカネソウクワガタソウの白い小花が咲いています。

輝く緑
【輝く緑の木漏れ日】

大きな堰堤を階段で二度越え、木橋で何度も沢を渡り返して進んで行きます。ベンチのある小さな広場が権現山の分岐で、正面が権現山への登山口です。右へ進んで行くと、すぐに下棚ノ滝の分岐。左へ5分くらいなので、ちょっと寄って行きます。

今日の水量はさほど多くないけれど、青空の下の滝はいい気持ち。一旦戻って次の本棚ノ滝へ。道標は向こう側の左岸に立ち、そこから左折するように立っていますが、渡らず右岸から行くのがルート。ちょっと間違えてしまいましたが、以前からこの道だったかなぁ・・・ もともと道標の位置がヘンなの? 3度目なのに忘れていました。 本棚ノ滝のマイナスイオンを浴び、深呼吸して、登山道に戻りました。


下棚ノ滝
【下棚ノ滝】

本棚ノ滝
【本棚ノ滝】

本棚ノ滝を過ぎると短いながらも植林の急登になり、上にはベンチがあるのでしばし休憩。空はまだ青いけれど、雲も多くなって来ました。シロヤシオの白い花はやっぱり青空の下で見たいので、ちょっと心配。アセビのヤセ尾根を過ぎるとまもなく善六ノタワですが、周りの木々が成長して視野がだんだん狭くなっているように感じます。


五葉の緑
【五葉の緑もきれいなシロヤシオ】

善六ノタワを過ぎると新緑いっぱいの自然林。

少し先に、シロヤシオの花が落ちていました。
見上げれば、五葉の緑が透けたようにきれいです。葉に隠れたシロヤシオの花もチラッと見えていました。

上に行くにつれシロヤシオもあちこちに見られるようになりました。でも日差しのある花はこれが最後。とうとう曇ってきました。こうなるとあとは雨にならないことを願うばかりです。

シロヤシオ
【シロヤシオ】
ブナ林
【苔むすブナ林】

木全体が真っ白というような花つきのいい木はないけれど、以前来た時と比べると格段に多く咲いていて、ここにはこんなにシロヤシオの木があったの?と思うほど次々現れて嬉しくなりました。

シロヤシオの花は、ほんとうに清楚な純白。
葉の緑も、清らかな優しい色です。

シロヤシオ
【シロヤシオ】
白石峠への尾根
【白石峠への尾根が見える】

木々がちょっと途切れたところから、午後に歩く白石峠への尾根が見えています。あの道にもシロヤシオが咲いているでしょうか。

トウゴクミツバツツジもあちこち咲いていて蕾も多い。通る人も少ない静かな山で、一つ一つゆっくり見ながら、写真を撮りつつ歩いて行きました。

シロヤシオとトウゴクミツバツツジ
【ブナとシロヤシオとトウゴクミツバツツジ】
畦ヶ丸
【畦ヶ丸】


随分のんびりペースで、畦ヶ丸山頂に到着。
登りでは2,3人が抜いて行っただけなのに、山頂には人がいっぱい。20人くらいいて、びっくりしました。どうやら皆さん団体さんのようで、しばらくして出発して行くと山頂には二人連れが残るだけになりました。

畦ヶ丸は樹林に囲まれ展望はなく、山頂も狭いので、ちょっと地味な雰囲気。人がサーっといなくなると、何やら寂しい山頂です。

空もだんだんアヤしい雰囲気になってきました。そろそろ出発。


すぐ下には避難小屋があります。が、トイレは詰まって使用禁止になっていました。以前来た時、壁に何枚も「紙は詰まるので、使用済みの紙は必ず持ち帰って下さい。」と貼り紙がしてありました。山のトイレは、バクテリアなどによる自然分解が頼みのようです。営業小屋と違って避難小屋には、箱や焼却など管理してくれる人がいません。それなのに捨ててしまう人がいれば、紙は分解されないのでどんどん溜まり当然詰まります。

自然の恩恵を受けに山へ来るのだから「山を傷つけない汚さない」は鉄則。どうしてこうなるのかと思うと、腹立たしいやら、情けないやら、悲しいやら。空も暗くなってくるし・・・なんだか落ち込んでしまいました。
本当に、ゴミ(トイレ紙もゴミです)持ち帰りが徹底することを願うばかりです。

さて、気を取り直して出発。ここはまた大滝峠とモロクボ沢ノ頭との分岐にもなっています。

右へ進むと、ちょっと山深い雰囲気になりました。右も左も新緑いっぱいの尾根で、この先にもシロヤシオやトウゴクミツバツツジが咲いています。



モロクボ沢へ
【緑深いモロクボ沢への道】
トウゴクミツバツツジ
【トウゴクミツバツツジ】

トウゴクミツバツツジは蕾いっぱいの木もありますが、きれいに咲いている木も多いです。瑞々しい新緑を背景に咲く、シロヤシオとトウゴクミツバツツジ。

空は一旦明るくなりかけたものの、モロクボ沢ノ頭に着く頃にはまたアヤしくなってきました。ここはベンチもある分岐で、左は城ケ尾峠を指しています。

モロクボ沢ノ頭
【モロクボ沢ノ頭】
ブナ林
【まだまだ続くブナ林】

この先もトウゴクミツバツツジやシロヤシオの咲く、気持ちのいいブナ林が続きました。
静かな森で、瑞々しい緑が身に沁み渡るようです。ほんとに日差しがあればなぁ・・・

空が少しでも明るくなると、森の緑にシロヤシオの白が引き立って、爽やかです。

シロヤシオ
【シロヤシオも続く】
バン木ノ頭
【バン木ノ頭】

更に下って、バン木ノ頭に来ました。
ここも分岐で、左は活動センターへの道。ベンチの横にはシロヤシオも咲いています。

アヤしい空とシロヤシオを見上げながら、ここでしばし休憩。


さて、ここからが問題の笹道。
6年前、しばらく先からは笹が高く伸び、掻き分けるというより潜りながら進んで行きました。行けども行けども笹で、折角の新緑を楽しむ余裕なく、一旦途切れてもまた少し先から笹藪潜り。水晶沢ノ頭近くまで続いてうんざりした記憶があります。

今は2m幅くらいに刈られて、すっきりした道になっていました。シャガクチ丸あたりまではトウゴクミツバツツジも咲いています。

熊笹道
【すっきりした笹道】

これで日差しがあれば本当に嬉しいのに、何やらポツポツ。とうとう降ってきました。
雨・・・ 止んでくれないかなあと思いながら歩いていましたが、どんどんガスっぽくなって、視界も悪くなり、とうとう10m先が見えなくなってきました。スパッツ、ザックカバー、傘を差してのトボトボ歩きです。


水晶沢ノ頭
【水晶沢ノ頭】

水晶沢ノ頭に到着。
小雨だけれど、ベンチがあっても休める雰囲気ではないので通過。この道は普段も静かそうですが、今日も誰も通りません。

バン木ノ頭から細かなアップダウンを繰り返して白石峠に着きました。晴れていれば西陽が差し込み最後の休憩にいい所ですが、今日は知らない場所のようです。

ここからの急下りは滑りやすいので要注意。
ゆっくりゆっくり、慎重に下りて行きました。

白石峠
【白石峠】
緑の急下り
【しっとり緑の急下り】

雨に濡れて、一際瑞々しい新緑。
更に下って行けば、大理石も雨に濡れて白さが鮮やかです。


やがて植林の山腹道になると右手に白石ノ滝が見えてきます。周りの木々も大きくなって葉も茂り案内板のある所からは見えにくくなっていました。雨はいつの間にか止んでいて、ほっとひと安心。山腹の先からジグザグの急下りで沢に下り立ちます。あとは沢沿いに下って行くだけ。

昨年の台風の傷跡なのか木橋はいくつか流されたままで、堰堤下の木橋もなくなっていました。ここは元々なかったので、補修される見込みもなさそうです。端の斜面も崩れ倒木もそのまま、石を選んで右岸に移りました。


木橋が流失
【木橋が流失】
ヤマツツジ
【ヤマツツジ咲く林道】

最後の木橋はきちんと補修されていました。林道手前の沢で、コーヒータイムです。河原は濡れていなかったので、この辺は降らなかったようです。

あとは所々にヤマツツジを見ながら林道歩き。
バスは増発も出たので全員座れました。


畦ヶ丸周辺のシロヤシオはちょうど見頃で、次々きれいな花が見られました。畦ヶ丸から白石峠の間は新緑も素晴らしく、静かな尾根歩きができる所なので午後の日差しがあればなあと、本当に残念でした。
でも無事に下山出来てよかったです。往路の西沢の木橋は橋桁も石積みの立派な物に補修されていましたが、帰路の白石沢は下流だけの補修だったので渡る石を選ぶのもあれこれ大変。足の長短が渡渉に影響しそうで、水量はさほど多くないのに私はちょっと苦労しました。



前回の大持山・小持山    HOME    山域別    次回の檜洞丸