北穂高岳・涸沢岳

きたほだかだけ(3106m)・からさわだけ(3110m)
平成20年10月11日~13日

二日目は北穂高岳から涸沢岳へ向かいます。
岩稜帯では景色を見るより足元ばかり見ていました。


2008.10.12
(日)
 涸沢ヒュッテ涸沢小屋北穂分岐北穂高岳最低コル涸沢岳穂高岳山荘
晴れのち
高曇り
  06:50発07:00
07:20
10:4511:00
12:10
13:2514:40
15:00
15:15着



素晴らしい紅葉に感激しすぎか、昨夜は睡眠導入剤を飲んでも、11時過ぎには目が覚めてしまいました。こうなるともう眠れず、時間が過ぎるのを布団の中でぼーっと待つだけになります。でも明日は北穂高岳、昨日も夜行でほとんど眠っていないので、これではマズいと1時半頃仕方なく再度薬を飲みました。


涸沢モルゲンロート
【涸沢モルゲンロート】

それでも4時半には目覚め、5:20からの朝食を済ませて外に出ると、山々はモルゲンロートに輝いていました。素晴らしい朝です。
荘厳な輝きの涸沢槍・北穂高岳を仰ぎつつ、今日の晴天に感謝しました。

三脚の立派なカメラ、コンパクトカメラ、携帯など、みんなカメラを向けてヒュッテのテラスは人がいっぱい。今日はあの稜線を歩きます。眺望が楽しみ。


気持ちのいい朝、深呼吸して、まずは涸沢小屋へ向けて出発しました。涸沢小屋のテラスからは前穂高岳が正面。まだ日陰ですが、横に聳える奥穂高岳は日差しいっぱい。ここのテラスは午後からの眺めが良さそうです。


さてスタートと、北穂高岳へ向けて歩き出すと、ちょっとヘン。
イマイチ元気が出ないし、頭がボーッ・・・・  
息苦しさはないけれど、フワ~として力が入らない。ヘンな時間に飲んだ薬の影響が残っている感じなので、ゆっくり歩いて行きました。次々抜かれて行くけれど、まあいいか。

朝日に輝く紅葉の先には、前穂~奥穂の吊り尾根が優しい曲線を描いています。何度も立ち止まり、景色を眺めながらゆっくり登って行きました。


吊り尾根
【前穂~奥穂 吊り尾根】

奥穂高岳
【奥穂高岳への登山道が見える】

北穂高岳へ
【紅葉の中、北穂高岳へ】

ヘリコプター
【ヘリコプターが飛んできた】

けっこうな急登なのでゆっくり登って行きました。前穂のギザギザ北尾根の奥、雲海の上に富士山が見えて来ました。素晴らしくすっきり見えて、感激です。

青空と秋の雲、爽やかな日差しが何ともいい気持ち。ヘリコプターが飛んできました。

北穂高岳も人気の山なので、ずっと人が続いています。渋滞というほどではないけれど鎖場も並んで、休み休み登って行くにはちょうどいいペースです。

鎖場
【鎖場】

今日は快晴ではないけれど、素晴らしく遠望が利きます。
蝶ヶ岳の稜線の先には八ヶ岳から南アルプスがどんどん広がってきます。
ゆっくり1時間ごとに10分ほど休憩しながら、のんびり登って行きました。

八ヶ岳~南アルプス
【八ヶ岳~南アルプス  富士山も見える】

前穂高岳~奥穂高岳~涸沢岳
【前穂高岳~奥穂高岳~涸沢岳】

北穂高岳
【北穂高岳 山頂】

涸沢岳・北穂の分岐から、更に登り北穂高岳の北峰山頂に着きました。
360度の素晴らしい眺めです!


縞模様の笠ヶ岳から稜線がすっきり伸びて、
黒部五郎岳や薬師岳もきれいに見えています。

笠ヶ岳
【笠ヶ岳~抜戸岳~樅沢岳  双六岳   奥に黒部五郎岳~薬師岳】

西鎌尾根に続いて槍ヶ岳が正面で、迫力ある大キレットの縦走路が目の前まで伸びています。
遠くの後立山連峰から燕岳・大天井岳、常念岳・蝶ケ岳など眺望が素晴らしくて、本当に感動。

槍ヶ岳
【薬師岳 鷲羽岳・水晶岳  槍ヶ岳  遠くに鹿島槍ヶ岳・白馬岳  右端は大天井岳】

遠くの山々を見つめながら、昼食タイム。
3時間のコースを大分オーバーして登って来ましたが、素晴らしい展望に頭もすっきり、薬も抜けたようで元気も出てきました。

目の前には大キレットが延びて、ここもいつか歩いてみたいけど、かなり怖そう~


大キレット
【大キレット】

東側には、明日歩く涸沢ヒュッテからのパノラマコースがよく見えています。
屏風岩の頭は稜線近くまでダケカンバの黄葉が広がって、とてもきれい。

屏風の頭~前穂北尾根
【屏風の頭~前穂北尾根    下に涸沢ヒュッテ】

さて次は涸沢岳へ。この先からは危険マークのあるルートで確かに切り立った岩峰が多い。
涸沢岳の山頂はどれでしょう。
左奥に見えるのは奥穂高岳とジャンダルム。

涸沢岳へ
【涸沢岳 山頂は見えない?】

ドーム?
【ドーム?は巻く】

岩稜帯
【滝谷側は切れ落ちている】

最低コル
【最低コル】

岩ゴツゴツの北穂高岳・南峰から急下り。小さなアップダウンが多く登ったり下ったりと忙しい。最低コルを過ぎると岩も崩れやすそうなガラガラの岩が多いので足元に気をつけないと落石など起こして誰かを怪我させたら大変です。人が多いので自然ゆっくりペースになるのは安全上かえっていいのかも知れません。一人だと面白くてついつい早くなり、何か仕出かしそうです。

しかし途中からは『えっ! まだあるの・・・』という感じになってきました。涸沢岳の山頂がどれか分らず、『もうこれで最後にして・・・』と思いながら攀じ登った鉄杭と鎖の先に、人が沢山立つピークが見えてほっとしました。


鎖場
【梯子  鎖場】

涸沢岳
【左が涸沢岳山頂 右はロバの耳・ジャンダルム】

涸沢岳
【涸沢岳 山頂】

涸沢岳の山頂に着きました。
ここは穂高岳山荘から登って来た人もいるので賑やかですが、展望は素晴らしい。ザックを下ろして、ゆっくり景色を眺めました。


振り返れば、今来た稜線を歩いている人が小さく見えます。ペンキマークがいっぱいなので、三点支持と落石に注意して行けば面白いルートでした。後ろを覗くと絶壁。下に見える涸沢カールには奥穂高岳が影を落とし、ヒュッテが小さく見えていました。


涸沢岳
【振り返り見る北穂高岳】

涸沢カール
【涸沢カールに奥穂高岳の影】

奥穂高岳
【奥穂高岳と穂高岳山荘】

横に、どっしり重量感のある山容の奥穂高岳。縦走路が西日にくっきり浮かんで見えます。

そして左手遠くには、この時間になってもまだ富士山がすっきり見えていて嬉しくなりました。

穂高岳山荘に到着。西側の和室6畳に12人。
窓から夕陽が見えて、とってもきれいです。

笠ヶ岳の左、雲に浮かぶのは白山でしょうか。
刻々と変わる美しい光景に、部屋の皆さんと感動しながらずっと眺めていました。
今日の無事と展望に感謝です。

穂高岳山荘
【穂高岳山荘】

光芒放つ白山
【光芒放つ白山   右は笠ヶ岳】

日没
【日没】



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