茅ヶ岳・金ヶ岳

かやがたけ(1703m)・かねがたけ(1764m)


中央線の車窓からよく見える茅ヶ岳。八ヶ岳に似た姿からニセ八ツとも呼ばれているようです。
先月、金峰山の方から見たので、今度は茅ヶ岳から奥秩父の山々を見てみたいと思います。


2009.10.11
(日)
 [深田公園入口]深田公園女岩茅ヶ岳金ヶ岳ふれあいの里分岐[茅ヶ岳登山口]
快晴 09:07着
 09:10発
09:1510:10
10:20
11:15
11:35
12:25
13:00
14:20
14:25
14:55着
15:08発



前回の金峰山と同様に韮崎駅からのバス。同じ2番乗り場から1日1回運行する深田公園行き8:51発のバスを利用します。乗客は5人でしたが着いた深田公園入口には駐車場があって、既に30台くらい停まっていました。やはり茅ヶ岳は人気の山のようです。駐車場横から標識に従って進んで行くと、すぐに深田記念公園の分岐になりました。近いようなのでちょっと寄ってみます。


深田公園
【深田公園】

公園というので広い場所と思っていましたが、道路のカーブ地を利用して東屋や案内板などが設置されたこじんまりとした場所でした。

石碑には「百の頂に 百の喜びあり」と刻まれています。ほんとにそうだなあと思いました。

分岐に戻り、幅広の平坦な樹林帯へ入って行きます。ガイドブックでは、この辺りは大明神開拓地と記され民家が幾つかあったようです。今は一軒だけ廃屋が残っていました。

林道を横断し、なおも明るい広葉樹林の緩やかな道が続いています。台風で落とされたのでしょうか、栗がいっぱい落ちていて艶やかな実が美味しそう。

広葉樹林
【明るい広葉樹林】
女岩
【女岩】

やがてゴツゴツ岩が多くなり勾配のある道になって、前方に女岩が見えて来ました。

大きな岩盤のような岩から水が湧き出たように流れていて、冷たく美味しい水です。周囲は小広く木陰もあるので休憩にいい場所でした。

女岩からは折り返すように急な露岩帯を登って行きます。やがて広葉樹林の明るい急登になりました。紅葉すれば素敵そうな明るい林です。

足元には、こちらも台風の影響でしょう、どんぐりがいっぱい落ちています。子供の頃、炒って食べたら美味しかったどんぐりがありました。あれは何のどんぐりだったのでしょう。

急登
【岩ゴツゴツの急登】
尾根
【尾根に上がる】

尾根に上がりました。上へ行くほど黄葉が多くなり、明るい林の中を登って行きます。

途中に「深田久弥先生終焉の地」があり、お酒などが供えられていました。

向こうに突起のある金峰山が見え、つい先日のことなのに何やらとても懐かしい。

深田久弥先生終焉之地
【深田久弥先生終焉之地】

明るい尾根伝いで、急登が続きます。上に行くほど紅葉もきれいになってきました。
前後の皆さんと、紅葉や展望を楽しみながら登って行きました。


紅葉の中
【紅葉の中】

茅ヶ岳へ
【茅ヶ岳へ】

富士山
【振り返り見る富士山】

振り返れば、逆光ながら富士山がきれい。
雪を冠った白い富士山になっていました。


そして横には金峰山を中央に、奥秩父の山々が一列に並び素晴らしい眺望です!
瑞牆山から金峰山にかけての切り立った岩の様子もよく分かり、千代ノ吹上を思い出しました。

瑞牆山~金峰山~国師ヶ岳
【瑞牆山~金峰山~国師ヶ岳】

茅ヶ岳の山頂に着きました。
人がいっぱい、大賑わいです。

展望は素晴らしく、これから向かう金ヶ岳がちょっと邪魔していますが、八ヶ岳のくっきりとした姿が特に鮮やかです。


茅ヶ岳
【茅ヶ岳 山頂】
南アルプス
【南アルプス】

西には、やや逆光気味なのが残念ですが、鳳凰三山・仙丈・甲斐駒が大きく迫っています。

北に八ヶ岳、東に奥秩父の山々、南に富士山。
茅ヶ岳というのは、それら四方の山々を見渡す展望台のような山で、駐車場から2時間でこの素晴らしい展望に出会えるのですから、なるほど人気があるのも頷けます。


次の金ヶ岳へは急下りで、岩や木の根に注意しながら下って行きました。

下りきってからは痩せ尾根の楽しい道で、色づき始めのモミジなど見ながら進んで行くと、大岩のトンネル。これが「石門」で、潜って左へ行くと、その先からまた急登になりました。

こちらも上に行くほど紅葉がきれいになってきます。途中、木々の間から振り返ると、茅ヶ岳と富士山が見えていました。

石門
【石門】

紅葉の中
【紅葉の中】

金ヶ岳へ
【金ヶ岳へ】

金ヶ岳 南峰
【金ヶ岳 南峰】

上がりきった所が南峰で、観音峠への道が分岐しています。「観音峠への道は急峻なので注意して下り、油断しないように・・・」との注意書きがありました。

すぐ先にはイワカガミの葉が広がっています。


緩やかな上下で金ヶ岳の山頂に着きました。10年前のガイドブックには、「360度の展望が広がり、茅ヶ岳より高いので展望も素晴らしい。」と記されていましたが、今は木々が伸びて八ヶ岳や奥秩父の山々は見えなくなっていました。カヤに覆われていたので茅ヶ岳と呼ばれたそうですが、いずれ茅ヶ岳も木々が伸びて展望がなくなるのでしょうか。ちょっと心配。

狭いながらも今は正面に南アルプスが大きく広がっているので、岩に腰掛け昼食。

金ヶ岳
【金ヶ岳 山頂】

金ヶ岳から見る茅ヶ岳
【金ヶ岳から見る茅ヶ岳】

金ヶ岳の山頂から見る富士山。
手前に重なるように茅ヶ岳が見えています。

帰りは南西に延びる尾根を下ります。
時々開けて、正面には南アルプスが大きい。
午後なので光を透けて見る紅葉がきれいです。

紅葉
【紅葉見つつ】
金ヶ岳
【振り返り見る金ヶ岳】

山頂からは、しばらく露岩混じりの急な下りが続き、振り返り見る金ヶ岳の西側はダケカンバ帯のようで、白い幹がきれいです。


北に見える八ヶ岳は、相変わらずくっきりきれい。
どの峰もすっきりと屹立し、素晴らしく端正で、
どれも主峰といった風情で立ち並んでいます。

八ヶ岳
【素晴らしく端正な八ヶ岳】

グングン下り、緑の林になりました。途中シラカバも現れ、なかには太い大木もありました。

やがて林道に飛び出しました。左へちょっと行くと分岐で、道標に従い右へ曲がります。


シラカバ
【シラカバ混じりの林】
茅ヶ岳・金ヶ岳 登山口
【振り返り見る車道出合の案内板】

大きな車道に出ました。真っ直ぐの道と、右の道に分かれています。茅ヶ岳登山口のバス停は、エアリア地図の範囲外。よく分からないので右へ進み、「明野ふれあいの里」の係の方に聞きました。

すると、「案内板のある車道出合から真っ直ぐ下って、県道に合流した十字路がバス停」とのことなので、さっきの案内板まで引き返し、右へ折れました。


広い車道を緩やかに下って行きます。草地からは富士山の上半分が見えていました。

やがて正面に南アルプスを見ながら下るようになり、右手白菜畑の向こうには八ヶ岳が大きく望めます。

日照時間が日本一という明野地区。太陽いっぱい、南アルプスと八ヶ岳の展望も素晴らしい地区です。

八ヶ岳
【白菜畑と八ヶ岳】

バス停と茅ヶ岳
【振り返り見るバス停と茅ヶ岳】

赤いりんごの木を見つつ県道に出ました。
「茅ヶ岳登山口」と表示されたバス停がある訳ではないけれど、時刻表が記載された案内板が立っているので、ここがバス停のようです。

周辺は畑の広がる緩やかな山麓で、振り返れば金ヶ岳・茅ヶ岳が正面に見えていました。バスは15分ほど遅れて来ましたが、ガラガラでゆったり座れました。


中央線の車窓から眺めていただけの茅ヶ岳は、まるで展望台のように素晴らしい眺望の山で感激でした。ずっと広葉樹が続くので、新緑の頃もよさそう。季節を変えて、また再訪したいと思いました。



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