黒川鶏冠山

くろかわけいかんざん(1716m)


思わぬバッタリのお陰で行き先を変更することなく、落合ルートで黒川鶏冠山へ行ってきました。
終日高曇りだったので思いのほか富士山がすっきり望め、ヒメイワカガミも見頃できれいでした。
まだ歩いたことのない丸川峠への道は、苔と新緑の静かなルートでとても良かったです。


2013.6.1
(土)
 落合BS横手山峠
分岐
黒川・鶏冠
分岐
鶏冠山黒川山
展望台
横手山峠六本木峠寺尾峠丸川峠裂石BS
曇り  09:30着
 09:50発
10:4011:2011:40
12:10
12:30
12:35
12:5513:2514:2014:45
15:00
16:20着
16:43発



柳沢峠から北上し小屋泊りの予定でしたが、日曜日に雨マークがあったので黒川鶏冠山に変更。塩山駅バス停で、皆さんの後ろでぼんやり並んでいると、「おはようございます」の声。

なんと、先日オフ会でご一緒した金森さんでした。「今日はどちらへ行かれるんですか?」と伺えば「鶏冠山に行こうかと・・・」との返事。「え~っ、同じですね。私も鶏冠山です。」と、笑った次に金森さんから返ってきた言葉は・・・
「このバス停ではないのでは?」に、しばし「???」。なんと、ビックリ!私が並んでいたのは「西沢渓谷」だったのです。柳沢峠なら「大菩薩峠」乗り場なのに、とんだ間違い。大慌てで移動しました。


柳沢峠を通るバスは、数年前から土日祝だけ8:30発「落合」行バスとして運行されています。つい半年前にも乗ったはずなのに、今日はすっかり忘れていました。金森さんが声をかけて下さらなければ、そのまま違うバスに乗り込み、車内で仰天。やむなく乾徳山に変更せざるを得ないところでした。

鶏冠山へは柳沢峠からのルートしか頭になかったけれど、金森さんは落合から登るとのこと。地図を見れば確かにその方がピストンが少なそう。そこで「私もマネしていい?」と伺えば、金森さん「ヤダ、迷惑!」とも言えず、快く(?)了承して下さいました。


「鶏冠山入口」道標
【「鶏冠山入口」道標】


落合(1100円)で下車したものの、校舎がないので「神金第二小中学校入口」がどこか分かりません。私が「バスから道標が見えたような気がする。」なんていい加減なことを言ったので、探しつつNTTまで戻ってしまい行き過ぎ。

一緒に下車した方と3人で途中見送った舗装道路まで引き返し、ここから上がってみれば、民家先に「鶏冠山入口」道標が置かれていました。


柳沢峠からだと標高差が少ないので散策ルートのようですが、落合からだと約1時間の登り。
でも広葉樹林なので新緑が気持ちよく、緩やかに整備された歩きやすい道でした。
いつもホオノキと間違えてしまうトチノキがあちこちに立ち、見上げる大きな葉っぱが可愛い。


トチノキ
【トチノキ】

広葉樹林
【落合から広葉樹林の道】

私たち3人だけの静かな森ですが、野鳥や春ゼミが多く、”山歌う”季節。


やがて鶏冠山と横手山峠の分岐に来ました。
しばし休憩。


鶏冠山・横手山峠 分岐
【鶏冠山・横手山峠 分岐】
苔むす石垣
【苔むす石垣の道】

鶏冠山への山腹道は苔むす岩が多く、足元にはミヤマカタバミやワチガイソウ、ミヤマスミレなどが咲いていました。

鶏冠山と黒川山の分岐に来ました。
左の鶏冠山へピストンします。



途中にはアカバナヒメイワカガミが群生、ちょうど見頃。赤が鮮やかでとてもきれいでした。

鶏冠山・黒川山 分岐
【鶏冠山・黒川山 分岐】

アカバナヒメイワカガミ
【アカバナヒメイワカガミ】

アカバナヒメイワカガミ
【アカバナヒメイワカガミ (拡大)】

シャクナゲ
【シャクナゲ】

周辺にはシャクナゲもあり、花つきのいい木はちょうど見頃できれいですが、他はあまり花がなく蕾もない雰囲気でした。


今日は高曇りだったようで、鶏冠山の山頂からきれいな富士山が見えて嬉しくなりました。
大菩薩の左は奥多摩や丹沢方面らしいのですが、薄ぼんやりでイマイチよく分かりません。


奥多摩・丹沢方面
【奥多摩・丹沢方面】

大菩薩嶺と富士山
【大菩薩嶺と富士山 (拡大)】

山頂にはグループさんがいて賑わっていましたが、狭い岩頭なので皆さんは昼食のため移動。その後は誰も来なかったので、ここでお昼にしました。

トウゴクミツバツツジは咲いていましたが花つきは僅か。サラサドウダンツツジもあったはずですが、蕾もよく分かりませんでした。


鶏冠山
【鶏冠山】
黒川山と展望台へ
【鶏冠山・黒川山 分岐】

先ほどの分岐に戻りました。左下は黒川金山跡への破線です。

中央の尾根道へ進み、黒川山と展望台へ向かいました。途中の小ピークはグループさんがいたので巻き、その先のトウゴクミツバツツジも花はほんの少ししか咲いていませんでした。


露岩の展望台からは南~西~北の見晴しが良く、富士山の下は丸川峠でしょうか。
奥秩父の山々を金森さんが同定していましたが、私はイマイチ分からず地図とにらめっこ。


富士山
【富士山の下は丸川峠? (拡大)】

笠取山方面
【手前は藤尾山? 笠取山は・・・・】

展望台から引き返し、さきほど巻いた黒川山。帰宅後、一昨年の写真を見てみたら、山頂に山名標識があったようですが、この日はなくなっていました。


黒川山
【黒川山】

分岐に戻り、柳沢峠方面へ進みます。横手山峠に出て、次の新横手山峠で林道横断。
六本木峠で三窪高原へ行かれる金森さんと分かれ、私は丸川峠への道へ進みました。
バス停で声をかけて下さったお陰で行先変更にならず、落合からの道も歩くことができ、感謝。


古い道標
【新横手山峠の古い道標】

六本木峠
【六本木峠】


ワチガイソウ

コミヤマカタバミ

ミヤマスミレ

フモトスミレ

丸川峠へ
【笹の広葉樹林】

六本木峠から先は、概ね尾根の東側を歩きます。 足元にはフモトスミレが点々と咲いていました。

大菩薩嶺の北西側は針葉樹が多いので、このルートも同じかと思いましたが、意外に広葉樹林が多く、身も染まりそうな新緑溢れる道です。

針葉樹林になると苔むした岩が多くなり、大岩の洞のようになっている所もありました。本来なら岩デコボコ道になりそうですが、ここも歩きやすい道です。

苔むす岩
【苔と大岩の道】
石畳の道
【苔むす石畳の道】

所々、岩が平坦になるよう人工的に並べられたような場所がありました。

こんな大きな岩を人の力で並べ替えたのでしょうか。かなり大変だったと思いますが、今は苔むした石畳の道になっています。


尾根が狭まり、やがて日本庭園ふうの所に来ました。「天庭峠」の道標があります。
更に新緑道を歩くこと15分で地図にある「寺尾峠」。左へはっきりした道が下りていました。


天庭峠
【天庭峠】

寺尾峠
【寺尾峠】

寺尾峠からも苔むす岩や桟橋など雰囲気のいい道が続き、支尾根を回り込むと開けた丸川峠に出ました。


丸川峠
【丸川峠】
丸川峠から見る富士山
【丸川峠から見る富士山 (拡大)】

早速富士山が見える場所へ行ってみると、今日はずっと曇りだったのに、まだきれいに見えています。カラッとした高曇りだったからでしょうか、この時刻のきれいな富士山はちょっと得した気分です。

ここからは何度か歩いた道。丸川荘裏手の草地に戻って時間調整のティータイムにしました。


そろそろ下山。ズミの白やトウゴクミツバツツジのピンクなど黄緑のなかの淡い色彩はきれい。


ズミ
【ズミ】

トウゴクミツバツツジ
【トウゴクミツバツツジ】

丸川峠からの下り始めは、岩も多い急下りです。転倒に注意しながら、ヤマツツジを見つつ下りました。


丸川峠からの下り
【岩ゴロゴロ急下り】

ヤマツツジはあちこちに咲いていて、その先もずっと点々と咲いていました。
花つきはやはりイマイチですが、緑の中の朱色は明るいアクセントになっています。


ヤマツツジ
【ヤマツツジ】

丸川峠からの下り
【ひたすら下る】

沢音が近づき林道に下り立ちました。バス停までの途中に白い装飾花を持つ花がありました。
ヤブデマリに似ていても葉が違う。ノリウツギじゃないしムシカリじゃないし、何でしょう?


林道
【林道】

カンボク
【 この花は・・・・後記 】


鶏冠山からも黒川山展望台からも、曇り空ながらきれいな富士山が見えました。シャクナゲは少なかったものの、アカバナヒメイワカガミがちょうど見頃で、色も濃くきれいだったので嬉しかったです。丸川峠への道は誰にも会わず、静かで素敵な道だったので今度は秋に歩きたいと思いました。


・・・・・・・・・・・・・・・後記・・・・・・・・・・・・・・・

向山・三頭山をご一緒したuraraさんからカンボクと教えて頂きました。ありがとうございます。
白い花も素敵だし、柔らかな雰囲気の葉も素敵だったので、名前が分かって嬉しいです♪




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