利尻山

りしりざん(1721m)
平成25年6月21日~24日

今日は鴛泊コースのピストンで、標高差1500mの利尻山へ登ります。朝は雲の下でしたが、
やがて雲海を抜け、山頂からは日本北端の海を眺める素晴らしい景色が広がっていました。


2013.6.22
(土)
 北麓
 野営場
4合目第一見晴第二見晴長官山9合目利尻山9合目7合目4合目北麓
野営場
曇りのち
晴れ
 05:10着
 05:15発
05:55
06:10
07:00
07:05
08:00
08:15
08:25
08:55
09:45
09:55
10:55
12:10
12:50
13:00
14:20
14:35
15:30
15:45
16:20着
16:35発



利尻北麓野営場
【利尻北麓野営場】

朝食と昼食のお弁当を受け取り、宿の車で登山口の利尻北麓野営場まで送ってもらいました。

利尻山のトイレは携帯トイレ(400円)方式なので、予め宿で購入しておきます。トイレブースは途中3ヶ所にあり、回収ボックスのあるこの登山口まで持ち帰るシステムになっています。

登山届けを提出。雑種の種子を持ち込まないための設備があるので靴底を洗ってスタート。

10分ほどで甘露泉水。美味しい湧き水です。
皆さん同様、空のペットボトルを持ってきたので満たして出発しました。


甘露泉水
【甘露泉水】
4合目 「野鳥の森」
【4合目 「野鳥の森」】

ポン山分岐を過ぎ、足元のアマドコロやツバメオモトなど見ながら緑の樹林帯を進むと、4合目に着きました。道標には「野鳥の森」と記されています。

倒木ベンチがあるので、ここで鳥の声を聞きながら朝食タイムになりました。宿のおにぎりが美味しかったです。


やがてマイヅルソウが多くなり、群生がずっと続いて素敵でした。
5合目道標には「雷鳥の道標」と記されていますが、利尻山に雷鳥は生息しないらしい。
この辺りから雪で大きく撓んだダケカンバが増えてきて、油断すると頭ぶつけます。


マイヅルソウ群生
【マイヅルソウ群生】

ダケカンバ
【ダケカンバ帯】

6合目を過ぎると、ようやく雲の上に出ました。
振り返り見る海は雲海に覆われています。


6合目
【6合目を振り返る】
第二見晴台
【第二見晴台】

7合目の道標には「胸突き八丁」。急登になり、足元にはキバナノコマノツメや大きなエンレイソウが増えてきました。

第二見晴台は露岩。ここからは低木帯になり長官山が見えています。青空が嬉しい~!



ウコンウツギ

オオバナノエンレイソウ

タカネナナカマド

ハクサンチドリ

8合目の長官山に着くと、ようやく利尻山が姿を現しました。緑の山肌に、白い残雪が眩しく
なんて美しい姿なんでしょう!

つい先ほど第二見晴で休んだばかりのに、すっかり感動した皆さん共々更に腰を落ち着け、長い休憩になりました。

8合目 長官山
【8合目 長官山から見る利尻山 (拡大)】

この先、標高が上がるにつれ花が増えて来ました。
真っ赤な花のチシマヒョウタンボクやチシマフウロなど見つつ登ります。


チシマヒョウタンボク
【チシマヒョウタンボク】

チシマフウロ
【チシマフウロ】

緩やかに登って行くと避難小屋があり、緊急時には20人くらい入れそうです。裏に携帯トイレブースが2室ありました。


避難小屋 「利尻岳山小屋」
【避難小屋 「利尻岳山小屋」】
9合目
【9合目】

ハクサンイチゲが多くなり、9合目に到着。
山頂に雲がかかってきて、なんだか心配・・・


9合目からは岩やザレた急坂が多くなるので、要注意です。
振り返れば雲海が薄れてきて、鴛泊方面が見え始めました。


岩稜の急登
【岩稜の急登】

鴛泊コース
【振り返り見る鴛泊コース】

歩き難いザレザレ急登の先で、沓形コースと合流。段々に整備されている所もあります。

山頂手前は花が多くなってきたので、写真撮りつつ登って行きました。


ザレ急登
【ザレ急登】

エゾエンゴサクは関東で見る紫っぽいヤマエンゴサクより確かに青いけれど、デジカメで撮るとかなり青く写っています。毛深いピンクさんはエゾツツジでしょうか。そして白馬と八ヶ岳だけに自生すると思っていたツクモグサもいてビックリ。既に咲き終わりでしたが、ここで見れるとは思っていなかったので嬉しくなりました。
   

エゾツツジ?蕾

エゾエンゴサク

ツクモグサ・終

エゾノツガザクラ

花ばかり見ているうちに祠のある利尻山山頂に着きました。
漂っていた雲もなくなり、素晴らしい展望です。
奥に南峰があり、細道がついていましたが、今は通行止になっていました。


南峰とローソク岩
【南峰とローソク岩】

利尻山 山頂
【利尻山 山頂】

沓形コース
【利尻島の西部 沓形コース】

今日は晴れているのにカラッと涼しく爽やか。
沓形方面も雲が薄れ礼文島が見えてきました。

危険マークのある沓形コースは残雪のある今はアイゼン・ピッケルが必要とのことです。


昼食後も記念写真など撮り合いながらゆっくりしていましたが、そろそろ下山。
見えてきた日本北端の広い海や鴛泊港などを眺めながら下りました。


鴛泊港
【利尻島の北部 鴛泊港】

9合目
【9合目】

8合目
【8合目から振り返る利尻山】

8合目の長官山を過ぎると利尻山も見えなくなるので、名残惜しくて皆さんの足も止まってしまいます。

ハイマツなどの低木帯になり、麓の港や青い海原を見ながら気持ちよく下って行きました。

鴛泊港見ながら
【鴛泊港見ながら (拡大)】

が、ダケカンバなど樹林帯になるととても長く感じて『本当にこんな長い道登って来たっけ?』
ルンルンの往きよりずっと長く感じて、ようやくスタート地点の利尻北麓野営場に戻りました。
今日の宿の車が、昨日の宿に置いてきた着替えなどの荷物を回収して、迎えに来てくれました。


北麓野営場へ
【ひたすら下る】

下山
【ようやく下山】

沓形の宿へ向かう途中、車窓から見える左右の草原はエゾカンゾウの花畑。
左には利尻山の伸びやかな姿も素晴らしく、これは素通りできません。
皆さんで「停めてくださ~い!」と叫び、横一列に並んで撮影会になりました。

まさに利尻富士!  なんて美しく、端正な姿なんでしょう~
朝は雲海が広がっていましたが、山頂からは素晴らしい眺めで充実した一日でした。感謝。

エゾカンゾウ花畑から見る利尻山
【エゾカンゾウ花畑から見る利尻山】

今夜の宿は、ホテル利尻
「北のカナリアたち」の映画の舞台は礼文島でしたが、このホテルにも宿泊したようで、ロビーには吉永小百合・柴田恭平など出演者たちのサイン色紙が並んでいました。

以前Aさんが泊まって良い印象だったとのことで、利尻・礼文唯一の源泉掛け流しの温泉があり、料理はもちろん新鮮な魚介類が盛りだくさん。ここでもウニが出て、またもや他の方へ。


ホテル利尻
【ホテル利尻】

そして近くを散策すると民家の庭先に、本来なら利尻山固有種のリシリヒナゲシが咲いていました。この花は栽培リシリヒナゲシだそうですが、透き通るような花びらとまんまる雌しべ?がとても可愛いでした。今回は見つけられなかったので残念だったけど、自生花が山頂付近で風に揺れて咲く姿は可憐でしょうね。



リシリヒナゲシはケシ属のなかで日本唯一の自生種だそうですが、北海道大学農学院の研究によれば、少なくなった花を増やそうと1997年から2002年にかけて栽培種の種子を利尻山に播種し、個体群を回復させようという試みが実施されたとのこと。しかし遺伝子解析により違いが判明。2009年より生育地に定着してしまった栽培ヒナゲシの除去作業が行われているとのことです。外見は酷似しているので見た目で区別するのは困難だそうですが、自然本来の自生花が少しずつでも増えるといいですね。


栽培ヒナゲシ
【栽培リシリヒナゲシ】

栽培ヒナゲシ
【栽培リシリヒナゲシ】


 利尻島の花々




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