薬師岳

やくしだけ(2926m)
平成25年8月2日~4日

今日はいよいよ薬師岳。夜中はきれいな星空だったようですが、朝になってみれば霧雨。
ガッカリだけれど、こうなれば仕方なく、どんな様子の山か下調べのつもりになって出発しました。


2013.8.4
(日)
 スゴ乗越
 小屋
間山北薬師岳薬師岳薬師岳
山荘
キャンプ場太郎平
小屋
五光岩
ベンチ
三角点折立
霧雨
のち曇り
 05:40発07:00
07:10
08:4509:55
10:25
11:05
11:30
12:50
13:00
13:25
13:40
14:15
14:25
15:30
15:40
17:05着
17:15発



霧雨
【霧雨】

頭と足、交互の夜明け。睡眠導入剤のお陰で何とか眠れましたが、外の天気にガックリ。

朝食を済ませ、レインウエアーやらザックカバーやらの雨装備で小屋を出ました。

ちょっとぬかるんだような道を進んで行くと、あちこちにコバイケイソウが咲いています。場所によっては、もう茶色に変色している花も多くなっていました。


低木帯になると、ゴゼンタチバナなどに混じってまんまるの苔(?)がありました。
後日ミヤマハナゴケと分かりましたが、海綿のようで見た目はふわふわした可愛い苔でした。
野営禁止横の小さな池をガスの中に見て、コイワカガミ、チングルマなど咲く道を登ります。


ミヤマハナゴケ
【ミヤマハナゴケ】

チングルマ
【チングルマ・ハクサンイチゲ】

ハイマツ帯になり、残雪を見ながら登って何やら平坦になると、右手に「間山」の道標がありました。

ここは展望もよさそうな所ですが、
今日は、な~~~んにも見えません。


間山
【間山】
緩やかな稜線
【緩やかな稜線】

間山を過ぎると、茶色の石屑のような緩やかな登りの道になって、足元にはチングルマ、ミヤマダイコンソウ、ヨツバシオガマなどお馴染みの花が並んでいます。

緩やかな登りが続き、見晴らしも良さそうな稜線には、文字が消えてしまった古い道標が倒れていました。ここはどのへんでしょう。

古い道標
【古い道標】

やがて岩ゴロゴロの岩稜帯になりました。ほど良い大きさの岩なので歩きやすく楽しい道です。
薬師岳から来た登山者ともすれ違うようになり、互いに「この天気にはガッカリですね~」


岩稜帯
【岩稜帯】

岩々道
【ほど良い岩々道】

北薬師岳
【北薬師岳 山頂】

気付くと、傷んで文字も消えた標柱が立っています。ここがどうやら北薬師岳のようです。

展望も良さそうなのに、な~~~んにも見えません。風雨も強くなってきたので、素通り。


ちょっとヤセ尾根っぽくなってきましたが、ペンキマークでしっかり誘導してくれています。
ガスって前方が見えなくてもこういう日は本当に助かり、感謝です。
これで展望があれば素敵な岩稜帯。私はやっぱり岩場道が好きなんだなぁと思いました。


ペンキ印
【ペンキ印】

岩稜帯
【岩稜帯】

なんか白っぽいな~と思ったら大きな残雪で、数人の人影が見えてきました。

夏空なら、ここでかき氷など楽しみながら眺望タイムにするのも良さそうです。


残雪
【残雪】
小さな花畑
【ウサギギク チシマギキョウなど】

所々に小さな花畑が出来ていて、青・黄・ピンクなどきれいでした。



タカネヤハズハハコ

ミヤマダイコンソウ

オンタデ

ヨツバシオガマ

下ばかり見て緩やかに登って行くと、ケルンが見えてきました。その先もケルンかと思った影は・・・祠?

『えっ・・・ ここが山頂・・・?』といった雰囲気で、山頂に到着しました。

薬師岳 祠
【・・・祠?】
薬師岳 山頂
【薬師岳 山頂】

大きな大きな薬師岳。その山容を実感することもなく、山頂に着いてしまいました。でも無事な山行に、正面に回ってお参りします。

霧雨は止んできたので風を除けて岩陰で昼食。

太郎平側、スゴ乗越側の両方から続々と登山者が来て、こんな天気でもけっこう賑わってきました。何も見えないので、そろそろ下山。



少し進むと、足元に道標があり、ここから右下へザラザラ下りになりました。スゴ側とは雰囲気がまるで違います。

下降点
【下降点】
薬師岳山荘
【・・・薬師岳山荘?】

ガスの中、道の真ん中に、何やらう~っすら見えて来ました。

『薬師岳山荘? 嬉しい~・・・♪』


実は昨日、スゴ乗越小屋で受付時、「二食付きでお願いします。それから”白玉あずき”、ありますか?」と聞いて恥をかきました。”白玉あずき”があるのは、この小屋でした。早速、注文。白玉も好きだけど、あずきも寒天も大好き。なので、”白玉あんみつ”にしました。今日はガスって悲しかったけど、この時ばかりは幸せな時間。この小屋は改築したようで、木の香りもするきれいな小屋でした。今度はここに泊まろう~!


白玉あんみつ
【白玉あんみつ♪】

薬師岳山荘
【薬師岳山荘】

『良かった、良かった、美味しかった~』と満足して、下山再開。
この頃になると、ガスもかなり薄れてきて、明るい雰囲気になりました。
花も多くなり、特に左側はずっとチングルマが群生し、チングルマ街道になっています。


チングルマの道
【チングルマの道】

花畑
【花畑】

薬師平
【薬師平】

下りが落ち着いて、平坦な薬師平に来ました。
イワイチョウ、ハクサンイチゲなどが咲いています。

その先から沢沿いの、岩ゴロゴロ下りになりました。向こうに太郎平の木道が見えています。

沢沿いの下り
【太郎平見つつ 沢沿いの下り】
キャンプ場
【キャンプ場】

下り立った所がキャンプ場。ここは広く、見晴らしも良さそうなテント場で、小さな売店もありました。

テント場からニッコウキスゲなど見ながら登り返し、去年も歩いた太郎平の木道を花を見ながら進んで、太郎平小屋に着きました。

太郎平小屋
【太郎平小屋】

登山の達成感は人それぞれで、天候に関係なく山頂に立つ・希望の花に出会う・三角点にタッチするなど色々だと思うけれど、私の場合は眺望がメイン。何も見えなければ、登ってないのと同じなのです。ずいぶん前に行った黒部五郎岳もガスだったので、今回は是非と思っていました。しかし、晴れ予報が更に後退し、夏空・眺望が期待できない空模様では展望リベンジの意味がありません。

今からでは折立のバスもないので、仕方なく宿泊申し込みしようと並んでいたら、隣で有峰口までタクシーを予約している二人組がいます。同じ中高年なので思わず声を掛けると、快くタクシー相乗りを承諾して下さり、一緒に下山することになりました。


折立へ
【折立へ】

折立へ
【五光岩ベンチを過ぎて】


タテヤマリンドウ

ミヤマリンドウ

キンコウカ

ミヤマママコナ

山友らしいお二人のうち、女性は70代で色々お話を聞かせていただきました。数年前にジャンダルムも歩かれたと聞いて、思わず『私でも行けるかも!』と思ったけれど、昨日は折立から雲ノ平山荘まで行き、今日は高天原を通って下山とのこと。非常に健脚な方だったのでレベルが違い過ぎると知り、ジャンダルムの夢は消え去りました。(笑)  五光岩ベンチや三角点ベンチで休憩を取りながら折立まで下山し、予約タクシーで有峰口駅へ向かいました。(11,000円)


三角点
【三角点】

折立
【折立】

有峰口駅
【有峰口駅】

運転手さんの話では、北陸は昨日梅雨明けが発表されたそうですが、途中から大雨になりました。

有峰口駅は昔ながらの駅舎で無人。懐かしい風情の駅でしたが、雨を避けながら撮った写真はピンボケで残念。


富山駅に着いたのは19:25。親切なお二人と別れ、JR富山駅へ行くと、当日の電車はもう長岡経由しかなく、しかも大人の休日倶楽部利用には手帳も必要とのこと。汗も流したいので地鉄ビルのビジネスホテルに泊まり、直行バス予約を依頼して、翌日はゆっくり朝食のあとバスで帰途に就きました。


晴れ予報が1週間も後退し続けた、この夏。初日はガスでしたが点在するコバイケイソウの群落に慰められ、翌日は素晴らしい雲海と描いたような雲の景色に感動でした。メインの薬師岳は視界ゼロで残念でしたが、稜線の岩稜帯は緩やかで、程よい大きさの楽しい岩々道。いつか必ず青空の日に、展望リベンジしたいと思いました。


 五色ヶ原・薬師岳の花々




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