蛭ヶ岳・袖平山・焼山

ひるがたけ(1673m)・そでひらやま(1431m)・やけやま(1059m)
平成24年2月18日(土)~19日(日)

今日歩く予定の丹沢山から蛭ヶ岳の間は、丹沢主脈縦走のハイライト。
素晴らしい展望を満喫したら、前回パスした黍殻山へも寄ってみようと思います。


2012.2.19
(日)
 丹沢山不動ノ峰鬼ヶ岩蛭ヶ岳地蔵平姫次袖平山黍殻山焼山焼山登山口
バス停
朝はガス のち
晴れたり曇ったり
 07:00出
 07:15発
08:15
08:35
09:1009:40
10:00
10:5511:2511:40
12:20
13:3514:20
14:30
16:00着
16:38発



夜は明けたようですが、外は真っ白。丹沢山はガスの中です。日の出も紅富士も断念。今日は焼山までですが、バス便が以前より1時間も遅くなり、しかも朝食は早くなって5:30から。何やら時間がいっぱいです。 のんびり身支度して一旦外に出たものの、ガスで小雪が舞っている。
今日は晴れるはずだし、丹沢山から先は富士山見ながら歩きたいし、時間はいっぱいある。
なので、また小屋の中へ戻って、しばしボーッと晴れ待ちしていました。


丹沢山
【うーーーっすら 富士山】

7:00頃、少し雲が薄れてきた感じなので、そろそろ小屋を出ます。

富士山も、うーーーっすらだけど、かすかに見えるようになって来ました。よかった~!

西の展望地へ行って、ここでもしばし待機。
霧は少しずつ静かに流れ、やがてぽっかり富士山が見えて来ました。
でも、まだまだ・・・
もうちょっと待ちます。

そして、ようやく不動ノ峰も見えて来ました!
よかったよかった。 では、出発!

富士山・不動ノ峰
【不動ノ峰も見えて来たので 出発!】
ダイヤモンドダスト
【ミニミニ・サンピラー♪?】


丹沢山からはツルベ落としと言われるかなりの急下りですが、ほどよい雪道なのでアイゼンも効いて快適な下りです。

登り返しになると朝日が当たり、霧の名残がキラキラ輝きながら舞っています。

これはもしかしてダイヤモンドダスト?
サンピラーとまではいかないけれど、きれいなミニミニ・サンピラー。冬の霧は、なんて素敵なんでしょう。


そして不動ノ峰への、広い雪原に伸びる白いトレース。
白い霧の花を眺めつつ、ここもほんとに、気持いい~!


不動ノ峰へ
【不動ノ峰へ】

霧氷
【笹原の霧氷】

途中の小さな平坦地に、休憩舎があります。
上から下りて来た二人は、蛭ヶ岳山荘に泊まった方たちなのでしょうね。


不動ノ峰 休憩舎
【不動ノ峰の東面にある休憩舎】

登りきったあたりの木々は、立派な霧氷で真っ白になっていました。
エビのシッポがいっぱい付いて、なんともゴージャス!重そうでお気の毒だけど・・・きれい。


不動ノ峰へ
【不動ノ峰へ】

エビのシッポ
【エビのシッポ】

不動ノ峰から見る富士山
【不動ノ峰から見る富士山】

不動ノ峰ピークを過ぎると大きく展望が開け、丹沢主脈で特にお気に入りの所に来ました。

ここはとても素通り出来ません。ザックを下ろして、ゆっくり眺望タイムにします。


富士山と、檜洞丸や大室山など西丹沢の山々が広がって、これから目指す蛭ヶ岳。
遠くに白い南アルプスが横一列に望め、蛭ヶ岳の左に八ヶ岳。右には大菩薩から雲取山。
ほんとに、なんて素晴らしい眺めなんでしょう~! 晴れてくれて、本当に感謝です!

富士山 南アルプス 蛭ヶ岳
【富士山 南アルプス 蛭ヶ岳】

素晴らしい展望に、あちこち眺めながらルンルンで進み、次の棚沢ノ頭に来ました。

弁当沢ノ頭へのトレースはあるか、ちょっと偵察。 先週あたりの古いトレースが、薄い新雪で覆われていました。そういえば玄倉林道は歩行者のみ通行可能になったようです。


棚沢ノ頭
【棚沢ノ頭】
蛭ヶ岳へ
【蛭ヶ岳へ】

気持ちのいい雪の稜線を、蛭ヶ岳を見ながら真っ直ぐ進んで行きました。てっぺんに小屋を載せた蛭ヶ岳がだんだん近づいてきます。

北向きにカーブすると、午後から歩く姫次~黍殻山~焼山の尾根が見えてきました。姫次が白い点になって見えています。左端が袖平山?間に小ピークなんてあったっけ?

遠くには奥多摩の山々がきれいに並んでいて、今日はあちらは快晴のようです。

袖平山~姫次~黍殻山
【袖平山~姫次~黍殻山】
鬼ヶ岩
【振り返り見る鬼ヶ岩】

鬼ヶ岩の岩場は雪に埋もれている訳ではないので足場はあり、慎重に下れば問題ありません。
てっぺんに、鬼の角に見立てた岩2つ。


蛭ヶ岳直下に来ました。霧氷を見上げながら登って行きます。
青い空と、白い木々が本当に素晴らしい。今日最後の大きな登りです。


蛭ヶ岳 直下
【蛭ヶ岳 直下】

見上げる霧氷
【見上げる霧氷】

後方に見える丹沢山~鍋割山の上は、まだ暗い雲が一列になって浮かんでいます。海側に並んでいる山域なので雲が出やすいのでしょう。同じ丹沢でも、ちょっと奥まっているだけでずいぶん天気が違うものだなあと思いました。


丹沢山~塔ノ岳~鍋割山
【丹沢山~塔ノ岳~鍋割山】
蛭ヶ岳山荘
【蛭ヶ岳 山頂】

丹沢の最高峰 蛭ヶ岳の山頂に着きました。
誰かいるかなと思いましたが、誰もいません。
先行した人達は、もう下山されたようです。

蛭ヶ岳山荘も人がいるのかいないのか、しーんと静まり返っていました。


山頂からは素晴らしい展望が開け、南アルプス・八ヶ岳方面がすっきり。
大菩薩・奥多摩方面も横一列に伸びやかな稜線を広げています。
ベンチでゆったり眺めながら、おひとりさまのティータイムにしましょう。

蛭ヶ岳山頂から
【蛭ヶ岳山頂から】

姫次方面への下りは雪いっぱいの急下り。ガレ崩壊地はルートが変更になって、僅かに低木帯を巻いて行きます。

段々も以前の土止め丸太ではなく、板階段に整備されていて、雪道でも随分歩きやすくなっていました。


蛭ヶ岳 北面急下り
【蛭ヶ岳 北面急下り】
地蔵平へ
【地蔵平へ 雪見だいふく通り】

植生保護の杭にちょこんと乗った雪が大福みたいで、「雪見だいふく通り」になっています。
炬燵で食べる雪見だいふくは美味しい。


この先は緩やかな樹林帯で微妙な地形。右に枝尾根が伸びて、登山道を仕切るロープも途切れているので右へ引き込まれやすいけど、トレースは左へ曲って、その先からまた仕切りロープが現れました。トレースがなく、ロープも埋もれていると、ちょっと迷いやすそうな場所です。

地蔵平が近くなると明るい自然林になります。ここは野鳥の宝庫じゃないかと思うくらい春には賑やかな囀りが聞こえていました。今も姿は見えないけれど、何やら鳴いています。

ふと見上げると、新しい道標の上に古い道標が見えました。「広河原神ノ川ヒュッテ」と書かれています。地図を見ると、危険マークの赤破線ルートが記されていました。


地蔵平付近
【地蔵平付近の自然林】
原小屋平
【原小屋平】

次のカラマツ林の原小屋平に出ました。大きな雲がやってきて、青空がだんだん少なくなってきます。

僅かな登りで、姫次に着きました。
焼山方面から上がって来た人たちがいます。
富士山も見えないし、時間があるので、今回もまた袖平山へ向かいます。

姫次
【姫次】
袖平山へ
【あっちが袖平山・・・】

袖平山までの間にもやはり小ピークがあったらしく、下って登った先に更にもう一山見えています。あっちが袖平山・・・? 
そんなに遠かったっけ?

前回は初めてだったのでルンルンで歩いていたのでしょう。緩やかなアップダウンですぐ着いた印象でしたが、意外に遠かったみたいです。


袖平山には東海自然歩道が通っているので、しっかりしたベンチがあります。
すっかり雲に覆われた蛭ヶ岳~檜洞丸の稜線を見つつ、簡単なお昼。
後ろを少し登った所が山頂で、今日は大菩薩方面など見えませんでした。
「社宮司橋」と「東野」への手製道標が地面に置かれています。
「東野」へはトレースも付いていて、地図を見れば黒破線が記されていました。


袖平山ベンチ
【袖平山ベンチ】

袖平山 山頂
【袖平山 山頂】

姫次へ引き返すと、さっきの赤いお二人もまだランチタイムでした。

焼山への自然歩道に入ります。ずっと雪道が続いて、最初の青根分岐の八丁坂ノ頭を過ぎ、次の青根分岐です。 このルートで上がって来る人は多い様子で、しっかりしたトレースがついていました。


青根分岐
【青根分岐】
黍殻山入口
【黍殻山入口】

更に進んで右下に避難小屋を見て、次の大平分岐を過ぎると、黍殻山の入口道標がありました。東海自然歩道は巻き道を行くようになっていますが、今回は黍殻山へ寄ってみることにします。

最初はけっこうな急登で雪も深いけれど、トレースはついています。転げ落ちないように一歩一歩登って行きました。


けっこうヤブぽい植林で、山頂には雨量計が建ち、樹林に囲まれ展望もありません。
でも楽しい足跡を見つけました。 両足二本揃えて、真っ直ぐ歩く? 飛び跳ねる?
何の足跡かな~  帰宅して調べてみると、テンとかイタチとか・・・   ホント?


黍殻山
【黍殻山】

何の足跡
【何の足跡かな?】

黍殻山の東側は雑木林で明るい雪道でしたが、最後はかなりのヤセ尾根で慎重に下りました。

自然歩道に合流すると、明るく気持ちのいい雪道が続きます。


焼山へ
【焼山へ】
焼山展望台から
【焼山展望台から】

焼山の山頂にはらせん階段の展望台があります。 今回は見晴らしよくて、宮ヶ瀬湖や高取山・仏果山、丹沢三峰山などが見渡せていました。

焼山から下り始めると雪がなくなり泥濘になったのでアイゼンを外してしまいましたが、その先はまた日陰の植林帯で、急なジグザグ下りでした。雪は滑りやすくなっているので、慎重に下ります。

しかしそれで終わりではなく、次は雑木林のトラバース下り。またアイゼン着けるのは面倒なので、我慢してそっとそ~っと下って行くと、この看板が現れました。

やっぱりマズイので、面倒でも再度アイゼン装着。やれやれ・・・

滑落注意
【滑落注意・・・  再びアイゼン】

トラバース下りが終わればアイゼンは不要です。緩やかな尾根道を進み、石畳を下って、西野々・焼山登山口分岐に来ました。西野々方面の鹿柵ゲートを開けずに引返した記憶があるので、今回は右の焼山登山口へ下ります。林道に下り立てば、あとはバス停へ行くだけ。


焼山登山口バス停
【焼山登山口バス停】

バス停に着くと、みやま山荘を早く出発された二人組が奥で休んでいました。今回、蛭ヶ岳~焼山ルートを歩いたのは、このお二人と私だけだったようです。

諏訪神社で、感謝のお参り。裏手には公衆トイレがあります。ベンチ代わりの石垣で、のんびりコーヒータイム。日向ぼっこしながらバスを待ちました。


土日は午後一本しかない16:38発の三ヶ木(みかげ)行きのバスに乗って、終点で橋本駅行きに乗り換えます。三ヶ木からのバス便は多く、相模湖駅行きのバスも出ているので、中央線利用の人にも便利です。



丹沢主脈縦走は3度目。バス便を考えれば焼山から大倉へ向かう方が便利で安心ですが、やはり丹沢山~蛭ヶ岳の稜線は富士山や南アルプスを眺めつつ歩きたいので、毎回北向きルートになってしまいます。今回は素晴らしい霧氷と青空の塔ノ岳~丹沢山、ガスが流れて明るい稜線の丹沢山~蛭ヶ岳を歩けて、本当に感謝でした。ここは季節を変えて何度でも歩きたいと思いますが、次はいつになることでしょう。



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