古賀志山

こがしやま(582m)


宇都宮市北西に位置する古賀志山は、低山としては北関東屈指の名山と言われているそうです。
標高は600m足らずですが、スリルある岩稜帯のアップダウンが続く、楽しいコースでした。


2016.3.21
(祝)
 文挾駅稲荷
大明神
籠岩猿岩赤岩山中岩御岳山古賀志山東稜
見晴
中尾根
取り付き
森林公園
駐車場
森林公園
入口BS
曇り  08:45着
 08:55発
09:3510:15
10:20
11:00
11:10
11:25
11:35
12:3012:55
13:25
13:4513:50
13:55
15:10
15:20
15:4515:50着
16:08発



古賀志山。聞いたこともない山でしたが、アイさんから「山で出会ったグループさんから、岩好きなら古賀志山がお勧めと言われたので、ご一緒しませんか。」とメールをいただきました。私はそれほど岩に自信はないけれど、とりあえず行ってみることにします。

赤羽でアイさんと合流、宇都宮駅で乗り換え。
車窓から古賀志山らしい山が見えてきました。

左から、赤岩山・中岩・御岳山・古賀志山。
今日はあのデコボコを縦走する予定です。


古賀志山
【古賀志山】
文挾駅
【文挾駅】

文挾(ふばさみ)駅で下車。並行して日光杉並木の例幣使街道が走っています。

ホームの反対側の改札口を出ると、小さなロータリーがあり、右へ少し進んだ先で左斜めの道に入りました。


県道(?)に出て右へ進み、ここからはひたすら車道歩き。左側に神社が多く、琴平神社・岩崎神社・白石神社を過ぎると、鹿沼市から宇都宮市になりました。更に進んで、稲荷大明神を過ぎた先に道標がありました。左折して「風雷神社鳥居」方面へ進み、ゲートを抜けます。


稲荷大明神
【稲荷大明神】


【その先、左折】

植林の中の舗装道路を5分ほど進むと分岐で、道標の「籠岩・北ノ峯」に従い左折。道路中央が陥没した道を進んで行くと、また5分ほどで幹に道標の張られた取付き点に着きました。



【次も左折】

籠岩・北ノ峯 取付点
【「籠岩・北ノ峯」 取付点】

道ははっきりしていて植林帯ジグザグから雑木の山肌になり、斜上すると籠岩に出ました。

籠岩の上は西側の見晴しがいいけれど、薄曇りの春霞。今日は地理院地図をプリントしてきましたが、山地図がない山域なので同定できず。


籠岩
【籠岩】

少し進むと北ノ峯の山頂。 狭く、北西側が少し開けています。
北ノ峯を過ぎると岩も多くなってきて、次は小さな岩頭ですが気持ちのいい所でした。


北ノ峯 山頂
【北ノ峯 山頂】

岩頭
【岩頭】

岩稜帯
【岩稜帯】

その先からは小さなアップダウンのある岩稜帯らしい道になりました。巻き道もあるようですが、ロープなどでしっかり整備され、足場もあるので楽しいルートです。


猿岩は直進ルートから少し離れた所にあり、分岐から右へトラバースします。
南側は切れ落ちていますが、北側から回り込めるので、ちょっと寄ってみます。


猿岩分岐
【猿岩分岐 直進せず右へ】

猿岩
【猿岩】

どこから見ると猿岩なのか分からないので、とりあえず先端へ。
田畑と人家の広がる平野の上を、パラグライダーが気持ち良さそうに飛んでいました。


パラグライダー
【パラグライダー 気持ち良さそう~!】

猿岩
【猿岩 先端へ】

赤岩山へ
【赤岩山へ】

引き返し、赤岩山へ。ヤマツツジが一輪咲き始めていて、このあたりから前後に登山者を見かけるようになりました。

赤岩山へは巻き道もありますが、先ほど見送った直進ルートの方が面白そうなので、岩を越えて溝状の岩を登って行きます。

赤岩山の山頂に着きました。
木々に囲まれた小ピークで展望はありません。
しばし休憩。

赤岩山 山頂
【赤岩山 山頂】

【パラグライダー発進場近く】

すぐ先にはパラグライダー発進展望台のような所があって、ふわりふわりとパラグライダーが沢山飛んでいました。

ここからようやく中岩や古賀志山が見えてきました。すぐ下のネットを潜って進みます。

更に岩を越えて、次は二尊岩。さすがにこのピークには立たず、横をすり抜けて進みました。

二尊岩
【二尊岩】

ミツバツツジが数輪咲き始めた岩の横を抜けて、次の岩は流線形に押しつぶされたような岩。
『瓦煎餅が立ち並んでいるみた~い』な自然の芸術に目を奪われ、私はしばし鑑賞。
同じような見晴しピークからまた下ります。コイワカガミの葉を見て急降下。



【流線形の岩】


【急降下】

次がこの縦走路の核心と言われている中岩への急登です。
しっかりロープやクサリが設置され、足場もあるので心配したほど大変ではありません。


中岩への急登
【中岩への急登 (拡大)】


しかし最上部。 最後の一歩が厄介。
足が届かず、膝でなんとかよじ登りましたが、ここが今日一番の難所でした。


【最上部が難所】

登り切って、少し進むと中岩のピークです。
ここも晴れていれば宇都宮市街方面の見晴らしが良さそうですが、今日は霞んでいました。


中岩ピーク
【中岩ピーク】
中岩からの下り
【中岩からの下りを振り返る】

急登すれば、急下りしなくてはいけません。
しかし東側は足場も多く、傾斜もマシなので、慎重に下れば大丈夫。

西尾根コースや滝コースの分岐道標を過ぎて、御岳山の山頂に到着しました。ほど良い広さで眺めのいい山頂ですが、今日は曇って残念。

ここでお昼。北側に見える素敵な山並みは、常連さんが高原山だと教えてくれました。

御岳山 山頂
【御岳山 山頂】

御岳山から更に東へ進みます。赤い鳥居はあるのですが、肝心な祠は補修中?


古賀志山へ
【古賀志山へ】

古賀志山へ
【赤い鳥居】

古賀志山
【古賀志山】

古賀志山の山頂に到着。
ここは木立に囲まれ展望はあまりないけれど、南方が少しだけ開けています。

古賀志山の一般ルートは、ハイキングの山として紹介されているのでベンチなど多く、家族連れも上がってきていました。

今日は東稜コースを下ります。
北コース分岐を過ぎて、東稜見晴にきました。

東稜コースはこの見晴から4つの岩場を下り、小さく見えている細野ダム近くまで下ります。

東稜見晴
【東稜見晴】
東稜コース
【東稜コース 1番目を振り返る】

東稜コース1番目は二段に分かれている岩場です。傾斜はありますが、ほど良い足場もあるので、大丈夫。

2番目も2段になっていて、下部はちょっと足場探しが必要。今日はいつものウエストポーチをザックの中に入れたので、下もなんとか見えました。

東稜コース
【2番目を振り返る】

3番目は衝立のような「亀の甲岩」の横を下ります。南側は下まで切れ落ちた絶壁。来る前はここを登った人のレポを参照していたので、『ここを下るのは、怖そう~・・・』と思っていましたが、実際は右にクサリ場がありました。


東稜コース
【「亀の甲岩」 左側は絶壁】

3番目のクサリ場は背の高い常連さんの後について、私も一番下は写真の左側を下りましたが、足場が少なくツルッとして不安定。右側に下りた方がマシのようです。
東稜コース
【横にある3番目クサリ場】

最後のクサリ場は下がよく見えませんが、一応足場はあるので慎重に下れば大丈夫でした。

岩肌が滑らかな部分は、1㎝くらいの小さな丸味を帯びた出っ張りでも有難いですが、よく見えないので足だけの感触に頼らざるを得ず、安定感がない。


東稜コース
【東稜コース 4番目】
東稜コース
【十字路 直進は東稜コース】

これで岩稜帯は無事終了。
ここで常連さんが「中尾根に行くなら取り付きを見ておいた方がいいから案内しますよ。」と言って下さり、アイさんが関心ありそうだったので教えていただくことにしました。

途中にはカタクリが群生していて、日陰になった今は閉じていましたが、蕾も多かったので満開になると素敵な斜面になると思われます。


【カタクリ群生】

雑然とした山肌ですが、枯葉の中にはヒナスミレも咲いていて、嬉しい~
下の沢沿いでは、キクザキイチゲもちらほら。可愛い3姉妹もいました。
 

カタクリ

ヒナスミレ

ヒナスミレ

キクザキイチゲ

中尾根 取り付き
【中尾根 取り付き】

沢沿いに出て、堰堤の横まで来ました。
ここが中尾根の取り付きで、急峻な山肌のずっと上までクサリやロープが続いています。

堰堤の下を通って、崩壊した沢を渡れば林道です。ここは北コース入口だそうで、今は横に迂回ルートができていました。


【崩壊 通行止め】
芝山橋
【芝山橋】

林道を進み車道に出ました。
芝山橋の手前が北コース入口で、橋を渡った右端に東稜コース入口がありました。

下の駐車場まで、しばし車道歩きです。

赤川ダムからバス停までは50分の車道歩きがありますが、ここも常連さんが車に乗せて下さったので、本当に助かりました。感謝です。

「森林公園入口BS」はセブンイレブン前にあり、手前は宇都宮駅行のバス停、向かい側は新鹿沼駅行のバス停で、都合に合わせて選べるので便利です。

古賀志山
【赤川ダムから見る古賀志山】


古賀志山は、600m足らずの低山ながら、スリルある岩稜帯のアップダウンが続く、楽しいコースでした。地元の方達からとても愛されているようで、クサリやロープなど、よく整備されています。非常に多くのルートが交差しているようで、この山にハマる人が多いのも納得でした。


しかし古賀志山は、滑落の多い山でもあるようです。この冬に3件の滑落事故(1件は死亡)があったそうで、いずれも65歳以上。普段から山歩きしていれば足は大丈夫だと思いますが、指の衰えは日常生活ではあまり自覚しません。手がかりの少ない岩場では指先ほどの出っ張りも重要で、思いがけず力が抜けてしまって滑落ということもあるのだろうと思いました。低山なので滑落といっても10mくらいのようですが、それでも岩稜帯なので頭を打てば死亡に繋がります。一般ルートはハイキングの山として紹介されていますが、岩稜ルートでは慎重に歩くことが大切だと感じました。




前回:裏高尾散策    HOME    山域別    次回:上高地